花の色は 移りにけりな いたづらに
我が身世にふる ながめせし間に
小野小町(9番) 『古今集』春・113人の欲求とは底知れぬもので、どれだけ綺麗でも満足することはできません。
そしてそれが大きければ大きい程、美しければ美しい程、
失っていく恐怖や無力感は底知れぬものでありましょう。
六歌仙、三十六歌仙の一人で、絶世の美女と謳われた小野小町。
彼女の報われぬ恋心と時の残酷さに、女の儚さが偲ばれます。
春になり、淡い白や桃色の美しさに目を奪われる頃、
同じくして切ない気持ちになるのは、
散るとわかっているひとときの美しさだからでしょうか。
この歌と共に必ず思い出されるのはこちら。
「女性に生まれるのではない。女性になるのだ」 by Simone de Beauvoir (1949)こちらの写真はボーヴォワールが42歳の時のもの。
若さ溢れる、といった類とは異なりますが、熟れた色気が感じられ、
ただ若いだけ、ただ年を重ねただけ、では出ない雰囲気。
春は訪れ、じきに去るもの。しかし季節は巡り、また春はやってきます。
時の流れを憂うより、いかに生きるか、を大切にしたいですね。
個人的には、
花の命が長かろうと短かろうと、その時々を満喫すればいい
それぞれに良さがあるさ、
なんて思っています。
だってどんな自分も好きだもんw
楽しんだ方がいいじゃない