先日スイーツ的ノンケ女子に女装子の話をした
気持ち悪いと同時に面白いと彼女は言った。
忌憚なものを観るかのように、嘲笑し、蔑みと興味の目で。
しかし彼女達は知らない。
彼女達が本物の女より女であろうとしていることを。
彼女は彼女以下だ。
わかりにくいので、ここでは女装子を彼女と呼ぶことにしよう。
ノンケ女子を敢えて彼らと仮定して。
言いなおそう
彼らは彼女以下の女である。
そう思える場面を多々目にする。
無駄毛をぼうぼうに生やした女。
言葉遣いが掃き溜めのような女に、
見るも無残な立ち振る舞いの女も。
どんなにカワイイを演出しようと、女の香りがしない。
無残なリボンやフリル。
そのフワフワのスカートの裾から覘く汚い下着はなんだ。
彼らは女であることに胡坐をかいているのだ。
しかし女装子はそうはいかない。
彼女らは男が好きなのかと誤解されがちだが、
私の知る限りでは女に憧れていると言った方がしっくりくる。
女に憧れ、恋焦がれて、その女になってみたいと願う。
そこにときめきと甘美な悦楽、非日常を感じるのだ。
日常生活あるが故、青髭は仕方のないところであるが、
無駄毛と呼ばれるものは、身内バレの許す限り排除してある。
勿論性癖もあって陰毛の処理に力を入れている者もいるけれど、ここは愛嬌。
身につける物も一生懸命買い集めるし、全身フルオーダーする子だって居る。
其々のこだわりが詰まった「女」であろうとする。
パパと呼ばれる変態ちゃんは、全身脱毛をしていた。
身なりはどこをどう見てもただのおじさんで、
七三分けのアートネイチャー的容貌だったが、
秘密の場所で会うといそいそと上半身裸になり違う生き物と化す。
彼は女装子ではないが、女になりたいという願望があった。
女の体になってみたいと。
丁寧に肌の手入れをし、エステにも通う。
美肌のサプリメントがあると聞けば取り寄せ毎日接取。
数年かけて全身の脱毛を終わらせたと喜ぶ。
日々女に成る為の努力を怠らず。
彼は会うとブラジャーをいつもしていた。
まだスカスカの胸だけれど。
いつかは其れが似合う体に成りたいと、
金と時間と手間をかけて女へと変体していっていた。
まさにへんたいだね。なんて笑ったりして。
彼らは笑顔がよく似合う。
生きているから。
活き活きと生きているから。
陰ひなたなイメージでSMや変態性が取りざたされる事が多いけれど、
目標のある変態というのは、突き抜けていて一生懸命で、
どうしようもなく変態だけれどそれでいて明るくて、そこがいい。
こちらまで気持ちが楽しくなる。
邪淫な世界もいいけれど、興味は力と成り得るのだから、
生きる明日への気力としてしまう方が、数倍生きることを楽しめるだろう。
この世は苦しみの方が多いのだから。
そんな無償のガソリンを手に入れた彼らの毎日は楽しい。
変態趣味を公にすることはできないけれど、
気持ちは公に前を向くことはできるからだ。
労働も、金を稼ぐことも、日々も、
目標があるから楽しむことができる。
辛いことも乗り越える楽しさに変わる。
彼らはそういう意味では人生の先輩だ。
私の知らないたくさんの時間を其々が持っているもの。
だから私も話していて楽しい。
折角過ごすなら、こういう時間を持ちたい。
私はどの生活時間においても、同性であろうと異性であろうと、
愚痴ほど無益なものは無いと思うので、兎に角近寄らないようにしている。
自分が汚染されるような、侵食されるような気がして。
私は屑みたいな陰鬱とした時間に興味はないのだ。
屑に屑と言って何が楽しい。
ただの現実を口にするだけじゃないか。
そうじゃないものをそう言って罵るから意味があるのだ。
簡単に言おうか?
ギャップ萌えという言葉があるだろう。
それと同じだよ。私のそれは。
そういう時間だからこそ燃えるし楽しいんだよね。
だから萌えるし愛おしい。
君は愛おしいものか。
愛おしいものであろうと努力しているか。
ただのネガティヴマシーンに成ってはいやしないか。
ドロドロとした変態欲求をただ垂れ流すばかりになってはいないか。
もしそうだとしたら君は嫌われている。
私だけでなくきっと誰からも。
愛されたいと願うのに、
其れを誰より欲するのに、
誰よりも遠いところに居る。
「そうでしょうよ、僕なんて。」
などと卑屈に口にしたとしても、その実さみしいものだろう。
しかし、実際、嫌われ煙たがられ、そういう場でしか相手にされない。
それだけの価値しかないから。
人を嫌な気分にさせる、嫌気を纏うものは、誰も近寄ってほしいとは思わない。
女王様は特にそうではないだろうか。
理由は色々あるだろうけれど。なぜそうなのかは、其々がわかるまで考えて欲しい。
すっ飛ばさないでね。
女王様はマゾが好きなんじゃない。
愛おしいと思えるところがあるから、そんな相手が好きなだけ。
マゾという言葉が色々な要素を包括しすぎていて、わからなくなってやしない?
別にネガティブ要素を纏ったものが好きなんて訳じゃないんだよ。
ここ大事。
出来ない子が好きな訳じゃないの。
出来ない子に出来ないって言うのはつまらない。
努力も考えもしないでさ。
僕は何もできませんとか無駄口たたく暇あったら動きなさいよ。努力なさいよ。
そういうのはお仕置きしたいなんて思わないし、
腹が立つとかじゃなくて目障りなだけなんだよね。
頑張ろうとするからこそ、叱咤する訳でしょ?
他がどうかは知らないが、少なくとも私はそう。
そのまんまだなんて、面白くもなんともないもの。
私は幼稚園の先生でありたいとなんて思わない。
張り合いがないと楽しくないからね。
少なくとも女教師と生徒くらいの関係でいたいかな。
だからマゾマゾもぞもぞしてるそこの君。
不完全な自分を自虐的に喜んでいないで、
自己欺瞞や不平不満に塗れてないで、
上に登る努力をなさい。
かわいがられる為の努力を。
それは全てを楽しむことにつながるのだから。
そのドロドロとした欲望にねじ曲がった願望、
ただ発散するだけなんてもったいないじゃない。
私は無駄が嫌いなの。
折角だからガソリンにしようよ。
新たな世界を見る為の原動力に。
そんな時間がいいと思ったら、
私の元においで。
そして跪くといいわ。
愛しいと思える時間を過ごしましょう。
さて、
ここまで読んで、それでも、
どうにかしたいけど、どうしていいかわからないなら、
お言いなさいな。
「お教え下さい」
「ご調教下さい」
と。
覚悟と体を差し出すものには、
相応の時間を与えます。
堕ちながら昇る喜びと共に。