ユーストで生配信やるってメールがきたので食事も早々に部屋に篭り、
何度もリンク先を確認しながらスタンバっているとラップが聞こえてきた。
一瞬間違ったかと画面見直すもそこにはわたしの好きなアーティストの文字があって、
でも、聞きなれない声とバランスの悪い高音のギターが耳につくから、画面に見入った。
モニターには彼が映っていた。
普段の真摯に汗を流し鼻水流し両手広げて顔を皺くちゃにして歌う姿を思い描いていた私を、ぬるっとした質感で裏切った。
夜に心地良いといえばそうかもしれないフリーセッションスタイルのライブ配信。
揺れる、とか言うノリ。
ベースは相変わらずうねりが艶くてセクシーだったけど、
そこに好きじゃないラップが聞こえることで台無しになった。
好きな人達を前にして、不快な15分。
モニターの前で大好きなアイスと玄米をひたすら口に入れて過ごす。
味はしないし美味しくなかった。
不快だからだ。
私の頭がかたくなったのか。感覚が死んでしまったのか。
そんな事思いはしたくないけど、やっぱりラップとかヒップホップって、苦手。
ばっかじゃないの。って言いたくなっちゃう。
特になんちゃってYO!みたいのとかさ。
脳をもぞもぞザラザラさせて、心地よくないんだ。うまくいえないけど。
もっとわかりやすくてダサくても良いから、ゾクッとさせてほしい。
脳を体を引掻くような、センセーショナルで鮮やかなものを、わたしは求めているんだ。
ほら、交響曲のように、悲鳴のように、時にはか細く響く誰かのなきごえでもいい。
だらだらやるかやらないかわからない曖昧なペッティングタイムなんて嫌い。
付き合いとか義理のセックスならオナニーして寝たらいい。
自己満足の擦り合わせに時間を費やす程緩慢な感情も持ち合わせていない。
ぼんやりとそう思いながら、ユーストを閉じてアニメのDVDを挿入した。
凄く曖昧ではっきりしないものを善しとして生きながら、
自分以外がそうであることを時に許せない自分は、なんて人間くさいのだろう。
其れはいけない事?
誰かを傷つける?
それはまた別問題。
付き合うって事は、付き合わせるってことだもの。
合わせないと、合わさらないよね。
一人が嫌いな人は、自分を見つめるのが嫌なのか、考えることが嫌なのか。
私にはわからないけど、私は一人でいれない人とは居られない。
だって、自分がわからないなら、相手のことなんてもっとわからないもの。
わざわざ不愉快になる要素を増やさなくても良い。
それ以前に私は何より一人が好きなのだ。
この世に一人、というひとりではなく、この世の中で今ひとり、というのが。
身も心ものびやかに居られる。
それはそうじゃない時を知っているからわかる、良さ。
誰かが居るから、何かがあるから、ひとりの私が楽しい。
どれも相対なのだ。
相対。
生きている限り離れられない、永遠の仕組。何かとの関係。
生きるというのは何次元なのだろうか。
考えていたらあれもこれもと思考は尽きない。これだからおもしろい。
どれも違って、どれもいい。
合う合わない、
今はこれ明日はそれ、
なんだって、自由だ。
今日も生きた一日だった。
明日は何を感じるだろう。
おやすみなさい。夢で逢いませう。