もう十年以上前の話ですが、
これを見た時、私は目で踊るという感覚を初めて知りました。
音と映像がシンクロしているのです。
わかりますでしょうか。
一つ一つのモチーフが、音を表しています。
楽譜のような映像とも言いましょうか。
其れがこうしてリズムも感じさせ、
かつ楽譜を知らない人にでもわかる、
いわばノンバーバルコミュニケーションをここに体現しているものがあるという事実。
この作品に出会って真に目から鱗を知り、兎に角感動したのを覚えています。
迷える音大生崩れの私には、価値観をひっくり返すような衝撃でした。
いかに自分が凡庸であるかという事実にも。
結果よい刺激となり機会となり今の私が在るので、とてもよい出会いだったと感謝しています。
色んな要素が私の琴線に触れてきたのですが、
十余年経った今、改めて見て一番興味があるのは、
言語を介さない、感じる表現という点です。
それは私の今に通じることだから。
女王としての目線を手に入れた今、
また違ったおもいが湧く。
SMに於けるコミュニケーション、
ノンバーバルを極めたかたち、関係性、
その他あれこれ。
いつになっても色々と感じることを思い出させてくれる作品です。
天才とは変態の一種である、
変態とはマイノリティという結果が齎すものである、
敏感だったり繊細だったりとともすればネガティブに捉えられてしまう感覚、それらが鋭いからこそ、生み出される感覚や感性がある、
それが文化をつくる、
繊細であるという生き方、楽しみ、
そんなことを考えていて、ふと思い出した夜。
深く考えずとも面白い映像なので、
夜のお供にでも。
ちなみに思い入れという点ではこちら
これを見る(聴く)と2000年頃の感覚に瞬間移動します。
記憶とはすごいものですね。
感覚を引掻くような記憶を、残したい。