今日は映画を二本見てきました。
お気に入りの映画館に入り浸る休日と言うのも悪くないかなと。
夕方から出かけましたので、必然的にそう多くの選択肢は無かったのですが、
幸い興味をひいたものが連続するタイムスケジュールだったので、即決定。
一作目はミシェルゴンドリーの名に惹かれて。
二作目はJAZZに惹かれて。
どちらも深く考えずに選んだのですが、其々に良さや思うところがあって、
結果として良かったと思います。
一作目
グッバイ、サマー(原題・MICROBE et GASOIL)
奇才ミシェルゴンドリーの自伝的青春映画、ロードムービー。
私は所謂スタンドバイミー的な青春映画には興味ないのですが、
ミシェルゴンドリーをPVで知ってかなり衝撃を受けたクチなので、
彼の自伝的な映画というものに興味を持ちまして。
奇才天才の名を欲しいままにする彼の青春時代はどのようなものだったのだろうと、
完全にそこばかり期待していました。
観た感想としては、そういったものより、
フランス映画らしいミシェル風味のロードムービーだったなぁ、と。
ドキュメンタリーではないので当然ですが、
可愛らしい物語で、甘酸っぱく、時に文化の違いにはっとさせられつつ、
若き日の忘れていたものを思い出させてくれるものでした。
二作目
ブルーに生まれついて(原題・BORN TO BE BLUE)
JAZZにはそこまで明るくないので、
チェット・ベイカーという方は名前を耳にした事がある程度でした。
ただ、JAZZの話である事、
BORN TO BE BLUEという言葉に惹かれて観ることにしたのです。
これが正解だったかは今でもわかりません。
というのも、お話が切なすぎる。
詳しくは観るなり何かで読むなりしていただいた方が
各々の感性での感想があると思うので割愛しますが、
私には救いのない話に思えて。
音楽という世界を美化して、
ドラッグを嗜好で至高の物のように描くのは好きではありません。
音楽に携わった過去があるからこそ、
私にはそこが苦虫を踏み潰したような不快感を覚えてなりませんでした。
メランコリックで退廃的な世界。音楽と言う麻薬に溺れる主人公。
そんな彼が挫折をして希望を見つけて、また生きる。
のかと思いきや、、、
音楽と言う人生を捧げたい麻薬のために、
人間的な幸せを捨ててまで、
依存していた恋人を捨ててまで、
人を滅ぼし自分も一度滅ぼされたコカインと言う麻薬に手を出してしまう主人公。
それほど音楽は甘美なものだ、なんて私は思わない。
そこを美化なんてしたくない。
依存と言うものはすり替わるだけで、なくならない。
無くすには強くなるしかないのだ。
ただ、人は解っていても出来ない事なんて沢山ある。
だから、この映画は救いが無くて。
私と言うものも考えさせられて、なんともいえない味がしました。
色んな思いをしましたが、これもまた映画の醍醐味。
両極端な映画を偶然にも見ることができて、佳い一日でありました。