好きだから知りたい
好きだから気になる
人はそう思う様に出来ているらしい。
M男も然りで、
女王様の事を少しでも知ろうと彼是力を注ぐ。
ネットを延々と検索するもの、
私の言葉の端々を掻い摘み詮索するもの、
不躾に覗き込み正に盗み見するもの、
只管少しの情報から膨らませようとするもの、
それはもはや執着とか執念とか、
歪でありながらも純粋な狂気すら感じる事さえある。
これだけ色んなものが溢れているのに、
なにかを見ないと気がすまないんだね。
みても知っても、
もっとなにかを知らないと落ち着かないんだね。
そんな事より、
ほんのひと時、時間を共にする方が、余程わたしを知れるだろうに。
わたしの体温は嘘をつかない。
夢中で君と紡いだ時間、触れた温もり、
それが真実でしょう?
お前は文字と情報で感じるのかしら。
不意にそれらが垣間見えた時、
私はお前を嫌悪する。
切り捨ててやろうかと。
これは女王の本音。
ふとした時に頭を擡げる、お前の行動、即ち実態に対する真実。
可愛いと思う時だってあるのに、ね。
ほんの僅かな事でバランスは崩れる。
ほんの僅かな事でもバランスは取れる。
人とは不確かなものだ。
私が知りたいなら、
目の前に居る私を欲しなさい。
私を求めるなら、
共に居る時間を大切に。
時間は長さではない。密度。
そこがわかれば、もうすぐでしょう。
最高の笑顔を君に。